遠くをつなぐ
先日「幽霊・妖怪画大全集」という、肉筆、浮世絵版画の展覧会に
行きました。
そのタイトル通り、幽霊や妖怪をテーマとした古くは江戸時代からの
作品を集めた、なんともオシャレで嬉しい展覧会。
妖艶な雰囲気を放つ肉筆幽霊画に、繊細で緻密な美の浮世絵版画、
愛らしく憎めない妖怪画など、とても素晴らしい作品を堪能し、
貴重な時間を過ごしました。
こういった展覧会などで絵画と向き合った時にいつも思うのは、
今、自分が向き合っているこの画面は、三百年も四百年も前に
作者の方が向き合っていた同じ画面なんだな・・・ということ。
決して会うことは無いけれど、同じ画面を通じて繋がっている。
感覚的には「遠く離れていても、同じ月を見ている」といった感じが
近いのかもしれません。
すごいことですよね。
永い時間を越えて、同じ画面に向き合えて、刺激を与えてもらえてる。
とてもありがたいことです。
私がこれまで白紙から完成まで向き合ってきた画面、あるいはこれから
向き合っていく画面も、もしかしたらいつかどこかで、
誰かが向き合ってくれる機会が来たりすることもあるんでしょうか・・・。
まあ、そんな機会が来るかどうかはわかりませんが、仮にあるとするのなら、
まだまだ足りないと思いながらも、向き合ってくれた人に対しては、
「少しでも何かを発せられる画面でありたい」と強く思います。
もっともっと、
一つ一つの画面に魂を宿して向き合っていきたいです。
2014/06/28